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writer:No Name Ninja 2024-05-16(Thu)  
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牛丼屋
writer:No Name Ninja 2013-01-09(Wed) 未選択 
1ケ月前の夜9時頃のことだ。
仕事で遅くなった俺は、夕食をとるため久しぶりに吉野家に行った。
牛鉄鍋膳などを食っていたら、外のガラス越しに親子連れが立っていた。
1歳ぐらいの子供を抱いた母親と、小学校3~4年生ぐらいの女の子。
外に張り出されたメニューを見て、指さしながら迷っている様子。
みなりは、あまり裕福そうには見えなかった。

やがて3人はおそるおそるという感じで店内に入ってきた。
俺の正面に座る。店内を見渡している。
男の店員が無愛想にお茶を置き、「何にしますか~?」と尋ねる。
小学生の女の子が「あの、あの、豚丼を‥‥」
「並と大盛りがありますが」「あの、小さい方。二つ」
「ご注文は以上で?」「‥‥はい」

なんで子供に注文させるんだ? 平日のこんな時間に豚丼の夕食か?
サラダもみそ汁もなしか? 父親はどうした?
とか思いながら様子をうかがっていると、子供が手話を使い始めた。
母親は耳が不自由のようだった。
手話は充分ではなく、喋りながら時々手も動かす、という程度。
母親は小さな子供を抱いているため口を動かす。
小学生の女の子は唇を読んで会話が続く。
残念ながら俺にはなにを言っているのか全くわからなかったが。

やがて豚丼並が運ばれてくる。女の子は幼い弟か妹かの世話をしながら
二人は丼を食べ始めた。食べ始めて、母親の顔を見て、ちょっと笑った。

その家庭の苦労は俺にわかろうはずもない。
だがその女の子の笑顔を見た途端、速攻で勘定済ませて外へ飛び出した。
涙を必死にこらえながら家路へ急いだ。
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