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タイムマシン
大勢の記者がエヌ氏の研究発表を心待ちにしていた。
「お待たせしました。私がタイムマシンを発明したエヌ氏です。」
「今回の発明はどのようなきっかけから生まれたのですか?」
「私が子供の頃見たアニメで、電子レンジに入れた猫がふと消えて未来へ送られてしまうのというものを見てね。それからというものこの人生を全てタイムマシンに注いで来た。学校にも行かず一人で進めてきたが、やはり時間がかかってしまったね。」
「ずっとご自分お一人で進めて来られたのですか?」
「私には助手もいないし、教養もないからずっと一人だ。今まで世間に知られたことも周りの人から注目されたこともない。だがついに完成した。これは一人で見るには惜しいというわけで君たちを呼んだんだ。」
「本題のタイムマシンですが、一見一回り大きな電子レンジのようですが。」
「そうだ。電子レンジにちょっと工夫を加えただけさ。早速だけどやってみようか。」
と言うとエヌ氏はリモコンのようなものを取り出してタイムマシンの調整を始めた。
しばらくしてタイムマシンの扉を開けながら言った。
「それでは行ってくるとするよ。」
「待ってくださいエヌ氏。まだタイムマシンの理論をきいておりません。」
「おお、私としたことが早まってしまったね。私の研究の大部分はこのリモコンさ。猫の場合は外の人が起動すればいいが、自分が入ったらそうはいかない。なかなかに苦心した。電子レンジを中から操作できるリモコンを考えるのにはね。」
「お待たせしました。私がタイムマシンを発明したエヌ氏です。」
「今回の発明はどのようなきっかけから生まれたのですか?」
「私が子供の頃見たアニメで、電子レンジに入れた猫がふと消えて未来へ送られてしまうのというものを見てね。それからというものこの人生を全てタイムマシンに注いで来た。学校にも行かず一人で進めてきたが、やはり時間がかかってしまったね。」
「ずっとご自分お一人で進めて来られたのですか?」
「私には助手もいないし、教養もないからずっと一人だ。今まで世間に知られたことも周りの人から注目されたこともない。だがついに完成した。これは一人で見るには惜しいというわけで君たちを呼んだんだ。」
「本題のタイムマシンですが、一見一回り大きな電子レンジのようですが。」
「そうだ。電子レンジにちょっと工夫を加えただけさ。早速だけどやってみようか。」
と言うとエヌ氏はリモコンのようなものを取り出してタイムマシンの調整を始めた。
しばらくしてタイムマシンの扉を開けながら言った。
「それでは行ってくるとするよ。」
「待ってくださいエヌ氏。まだタイムマシンの理論をきいておりません。」
「おお、私としたことが早まってしまったね。私の研究の大部分はこのリモコンさ。猫の場合は外の人が起動すればいいが、自分が入ったらそうはいかない。なかなかに苦心した。電子レンジを中から操作できるリモコンを考えるのにはね。」
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スイッチ
ある日エヌ氏は「1秒を1年に錯覚するスイッチ」を発明した。
でも、エヌ氏は自分が試すのは怖いためやらずに、試験者募集という広告を貼り付け募集した。
だが、そんなものに手を出す人はいず、結局エヌ氏が試験体として「スイッチ」を押すことにした。
スイッチを押した途端に世界は歪む。歪みが終わったら酷い頭痛がエヌ氏を襲った。
その頭痛も終わったらエヌ氏はやっと自意識を取り戻した。
そして気づいたことが動けないということである。
あくまで「1秒を1年に”錯覚”させる」だけなのであって
肉体自体はそのスピードについていけるはずもない。
スイッチを押すためには何年かかるのだろうか。
押したとしても錯覚が治るわけでもないかもしれない。
エヌ氏は絶望した。動けない。声も出せない。何にもできない。
地道に動こうとしても動かない。
他人にとってはたったの12時間だがエヌ氏は43200年生きた。
その頃にはエヌ氏はもう全てを悟っていた。
そして手にはもうスイッチがある。
「やっとスイッチを押せる!」
長年やってきた努力が報われるときがやっと来たのであった。
スイッチを236日かけて押す。
また激しい頭痛がエヌ氏を襲う。
次に意識を取り戻したときには世界は真っ暗で身体は動かせなかった。
彼にとって0.1秒が1年になった
でも、エヌ氏は自分が試すのは怖いためやらずに、試験者募集という広告を貼り付け募集した。
だが、そんなものに手を出す人はいず、結局エヌ氏が試験体として「スイッチ」を押すことにした。
スイッチを押した途端に世界は歪む。歪みが終わったら酷い頭痛がエヌ氏を襲った。
その頭痛も終わったらエヌ氏はやっと自意識を取り戻した。
そして気づいたことが動けないということである。
あくまで「1秒を1年に”錯覚”させる」だけなのであって
肉体自体はそのスピードについていけるはずもない。
スイッチを押すためには何年かかるのだろうか。
押したとしても錯覚が治るわけでもないかもしれない。
エヌ氏は絶望した。動けない。声も出せない。何にもできない。
地道に動こうとしても動かない。
他人にとってはたったの12時間だがエヌ氏は43200年生きた。
その頃にはエヌ氏はもう全てを悟っていた。
そして手にはもうスイッチがある。
「やっとスイッチを押せる!」
長年やってきた努力が報われるときがやっと来たのであった。
スイッチを236日かけて押す。
また激しい頭痛がエヌ氏を襲う。
次に意識を取り戻したときには世界は真っ暗で身体は動かせなかった。
彼にとって0.1秒が1年になった
ある宇宙船での会話
「これが何か分かったかね? ドクター」
「ああ、船長。まあ、生物の死体には間違いありませんな」
ドクターの言葉に船長は三つの目を見開いてその「死体」を見つめた。
「しかし、完全に干からびておる。自然にこんな状態になるとは思えんが」
「意図的な処置がしてある事は間違いありません」
ドクターは腕を組むと残る二つの腕で、死体が納められている細長い容器を調べながら頷く。
「この生物の体型にピッタリ合わせた容器までありますし」
「うむ、蓋までついているなかなか凝った容器だ。専用の容器まで作ったとなると、相当大事なものなのだろうな?」
「もしかすると愛玩用の動物だったのでしょうか? 愛するペットをいつまでも保存しておきたいという考えから作られたのかも知れません」
「しかし、目が二つに口が一つ、腕が二本に足も二本。干からびてしまっているということを考慮しても、とても愛玩動物とは思えんな」
「そうですなあ。うーん、腐敗を防ぐための処置が、意図的にしてあるのは間違いがない。と言って愛玩動物とも思えない。もし、ペットでもない生物を手間暇かけて保存するとしたなら、その理由は何だろう?」
ドクターは六本の足で、少しイライラしたように足踏みをしていたが、突如叫び出した。
「分かりましたよ、船長! 実に簡単な事です。その容器の使い道も分かりました」
「どういう事だね?」
「愛玩動物でもない生物を手間暇かけて保存するとしたなら、その理由はただ一つ、この生物は、きっとあの星の滅亡してしまった住人たちの食用家畜だったに違いありません」
「なるほど! ドライフードなのだな!」
「そうです、そしてこのピッタリの容器!」ドクターはマイクに向かって叫ぶ。
「誰か、お湯を持ってきてくれ!」
「そうか! この容器にお湯を注いで蓋をするのだな!」
「そして三分待つのです!」
船長とドクターは四つに分かれた舌で二つある唇を舐めながら涎を垂らした
「ああ、船長。まあ、生物の死体には間違いありませんな」
ドクターの言葉に船長は三つの目を見開いてその「死体」を見つめた。
「しかし、完全に干からびておる。自然にこんな状態になるとは思えんが」
「意図的な処置がしてある事は間違いありません」
ドクターは腕を組むと残る二つの腕で、死体が納められている細長い容器を調べながら頷く。
「この生物の体型にピッタリ合わせた容器までありますし」
「うむ、蓋までついているなかなか凝った容器だ。専用の容器まで作ったとなると、相当大事なものなのだろうな?」
「もしかすると愛玩用の動物だったのでしょうか? 愛するペットをいつまでも保存しておきたいという考えから作られたのかも知れません」
「しかし、目が二つに口が一つ、腕が二本に足も二本。干からびてしまっているということを考慮しても、とても愛玩動物とは思えんな」
「そうですなあ。うーん、腐敗を防ぐための処置が、意図的にしてあるのは間違いがない。と言って愛玩動物とも思えない。もし、ペットでもない生物を手間暇かけて保存するとしたなら、その理由は何だろう?」
ドクターは六本の足で、少しイライラしたように足踏みをしていたが、突如叫び出した。
「分かりましたよ、船長! 実に簡単な事です。その容器の使い道も分かりました」
「どういう事だね?」
「愛玩動物でもない生物を手間暇かけて保存するとしたなら、その理由はただ一つ、この生物は、きっとあの星の滅亡してしまった住人たちの食用家畜だったに違いありません」
「なるほど! ドライフードなのだな!」
「そうです、そしてこのピッタリの容器!」ドクターはマイクに向かって叫ぶ。
「誰か、お湯を持ってきてくれ!」
「そうか! この容器にお湯を注いで蓋をするのだな!」
「そして三分待つのです!」
船長とドクターは四つに分かれた舌で二つある唇を舐めながら涎を垂らした
一杯のコーヒー
メガ氏が自宅の一室で発明品の試用をしていた。
「君も椅子に掛けてくれ。しばらく見ていてもらいたい」
同伴者にそう言って、メガ氏は両手を二回鳴らした。
合図を聞きつけて、執事がドアを開けて現れた。
身体が金属で出来ているから、ロボットであることがわかる。
「コーヒーを一杯淹れてくれ」
メガ氏が指示をした。執事は即座に準備を終えてどうぞ、と言ってからコーヒーを机に置いた。
「この執事は最近作ったロボットだ。こっちも試用段階だが、今日試したいのは他のロボットだ」
執事は動作だけを見れば、なかなか人間らしかった。執事は礼をして下がっていった。
二人を挟んだ机の真ん中に、一杯だけコーヒーを置いて。
メガ氏は手元へゆっくりとコーヒーカップを寄せていった。
コーヒーを出されない同伴者は、客人として招かれたわけではなかった。
そしてメガ氏は世間話をし始めたが、同伴者に見せるであろう発明品の説明はしなかった。
しばらく話をしていると、同伴者はメガ氏に違和感を感じ取った。
注意深く観察してみると、メガ氏の言葉は不自然なほどイントネーションが一定だった。
「そうか。あなたはロボットだ」
机の向こうで、メガ氏は無言の反応をした。
「自分に似せて作ったロボットで、僕が気付くかどうかを試そうとしているんだ」
応えたのは物陰から出てきたメガ氏だった。
「君は察しがいいな。どうしてわかったんだい」
メガ氏は、自分を模したロボットと並んで椅子に座った。
「さっきはぎこちない所があったから気付いたんだ」
「それは喋り方がかい、それとも動作がかい」
メガ氏はとなりのコーヒーカップをスッと引き寄せた。
「色々とだよ。いまこうして本人と比べてみると違いがよくわかる」
それだけ聞いて、メガ氏は何も応えなかった。
「と、いうことは今度は気付かなかったようだな」
突然ドアを開けて、さらに一人メガ氏が現れた。
メガ氏は本物さながらの動きで椅子に座り、コーヒーカップを自分の方へ。
次から次へ現れるメガ氏に、同伴者はわけがわからなくなり機械音を立て始めた。
メガ氏は同伴者の耳に手をやり、スイッチを切った。
やはり、不可解な出来事にあうと行動不能になってしまう。
試用と調整を繰り返さないといけないようだ。
「やれやれ。三人目が出てくるとは思わなかったか。
ロボットと入れ替わっているのに気付いたのはよかったがな」
メガ氏はロボットのメガ氏のスイッチも切り、少しぬるくなったコーヒーを手繰り寄せて飲んだ
「君も椅子に掛けてくれ。しばらく見ていてもらいたい」
同伴者にそう言って、メガ氏は両手を二回鳴らした。
合図を聞きつけて、執事がドアを開けて現れた。
身体が金属で出来ているから、ロボットであることがわかる。
「コーヒーを一杯淹れてくれ」
メガ氏が指示をした。執事は即座に準備を終えてどうぞ、と言ってからコーヒーを机に置いた。
「この執事は最近作ったロボットだ。こっちも試用段階だが、今日試したいのは他のロボットだ」
執事は動作だけを見れば、なかなか人間らしかった。執事は礼をして下がっていった。
二人を挟んだ机の真ん中に、一杯だけコーヒーを置いて。
メガ氏は手元へゆっくりとコーヒーカップを寄せていった。
コーヒーを出されない同伴者は、客人として招かれたわけではなかった。
そしてメガ氏は世間話をし始めたが、同伴者に見せるであろう発明品の説明はしなかった。
しばらく話をしていると、同伴者はメガ氏に違和感を感じ取った。
注意深く観察してみると、メガ氏の言葉は不自然なほどイントネーションが一定だった。
「そうか。あなたはロボットだ」
机の向こうで、メガ氏は無言の反応をした。
「自分に似せて作ったロボットで、僕が気付くかどうかを試そうとしているんだ」
応えたのは物陰から出てきたメガ氏だった。
「君は察しがいいな。どうしてわかったんだい」
メガ氏は、自分を模したロボットと並んで椅子に座った。
「さっきはぎこちない所があったから気付いたんだ」
「それは喋り方がかい、それとも動作がかい」
メガ氏はとなりのコーヒーカップをスッと引き寄せた。
「色々とだよ。いまこうして本人と比べてみると違いがよくわかる」
それだけ聞いて、メガ氏は何も応えなかった。
「と、いうことは今度は気付かなかったようだな」
突然ドアを開けて、さらに一人メガ氏が現れた。
メガ氏は本物さながらの動きで椅子に座り、コーヒーカップを自分の方へ。
次から次へ現れるメガ氏に、同伴者はわけがわからなくなり機械音を立て始めた。
メガ氏は同伴者の耳に手をやり、スイッチを切った。
やはり、不可解な出来事にあうと行動不能になってしまう。
試用と調整を繰り返さないといけないようだ。
「やれやれ。三人目が出てくるとは思わなかったか。
ロボットと入れ替わっているのに気付いたのはよかったがな」
メガ氏はロボットのメガ氏のスイッチも切り、少しぬるくなったコーヒーを手繰り寄せて飲んだ
魂
N氏の前に悪魔が現れ言った。
『どんな願いでも一つだけ叶えてやろう
だが3日後にお前の魂をいただく』
N氏は困った。
願いは叶えて欲しい。が、当然魂は奪われたくない。
その時N氏にある考えが浮かんだ。
「奪う魂というのは1つなのか?
例えば俺の魂を5つに増やしたとする
そして3日後に奪う魂は5つの中の1つ…
という事は可能なのか?」
悪魔は観心した顔で答える。
『良いところに気付いたな
その方法ならお前は死ぬ事無く
4つの魂を手にする事が出来る
数が多ければ不老不死も夢じゃない』
N氏は言った。
「じゃあその願いだ!俺の魂を増やしてくれ!
数は多い方が良い、ありったけの数だ!」
悪魔はうなずき、呪文の様な言葉を呟きだした。
そしてN氏に魂の数が増えた事を告げた。
N氏は喜び悪魔に何度も感謝をした。
「しかしすごい魔法だ、お金とかも無限に増やせるのか?」
N氏の質問には意外な答えが返ってきた。
『実はこの魔法は増やすのではない。移動させる魔法なのだ』
「移動させる魔法?」
『例えばお金なら世界中の金庫などから少しずつ金を集めるというわけだ
無から有を作り出す呪文ではない』
そうなのかという顔をするN氏に背を向ける悪魔。
少しずつ消え去りながら最後にこう言った。
『60億もの魂を与えたんだ
今日は外が静かだな』
『どんな願いでも一つだけ叶えてやろう
だが3日後にお前の魂をいただく』
N氏は困った。
願いは叶えて欲しい。が、当然魂は奪われたくない。
その時N氏にある考えが浮かんだ。
「奪う魂というのは1つなのか?
例えば俺の魂を5つに増やしたとする
そして3日後に奪う魂は5つの中の1つ…
という事は可能なのか?」
悪魔は観心した顔で答える。
『良いところに気付いたな
その方法ならお前は死ぬ事無く
4つの魂を手にする事が出来る
数が多ければ不老不死も夢じゃない』
N氏は言った。
「じゃあその願いだ!俺の魂を増やしてくれ!
数は多い方が良い、ありったけの数だ!」
悪魔はうなずき、呪文の様な言葉を呟きだした。
そしてN氏に魂の数が増えた事を告げた。
N氏は喜び悪魔に何度も感謝をした。
「しかしすごい魔法だ、お金とかも無限に増やせるのか?」
N氏の質問には意外な答えが返ってきた。
『実はこの魔法は増やすのではない。移動させる魔法なのだ』
「移動させる魔法?」
『例えばお金なら世界中の金庫などから少しずつ金を集めるというわけだ
無から有を作り出す呪文ではない』
そうなのかという顔をするN氏に背を向ける悪魔。
少しずつ消え去りながら最後にこう言った。
『60億もの魂を与えたんだ
今日は外が静かだな』
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